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2011年9月 4日 (日)

貴重な草原

雨が多い日本は、森林が発達しやすく、草原はできにくい環境にある。
森林が発達すると、太陽の光が遮られて草花の成長を阻害するからだ。
以前は、人里近くのあちらこちらに小規模な草地が見られた。
牛馬の飼料、茅葺きの屋根材など、日々の営みに必要な資源を得るために人為的に作られたものだね。

人の生活様式が一変して、この草原がすっかり減少してしまった。
草原に適応した昆虫は生息環境を失い、絶滅の危機に瀕している種もある。

冬の志賀高原は日本有数のスキーリゾートだ。でも、夏になるとあちらこちらに花畑が姿を現し、たくさんの昆虫が集まっている。

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なぜ、スキー場に草原があるのか。

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なんのことはない、花畑になっている所は雪がない季節のゲレンデだ。
ゲレンデを保守するために樹木は伐採され、陽光が降り注ぐ斜面は多くの種類の草花が生育するのに適した環境になっているのだ。

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キアゲハ(黄揚羽:Papilio machaon )がコオニユリ(小鬼百合:Lilium leichtlinii )の花蜜を求めて花を訪れている。キアゲハの腹が花粉でオレンジ色に染まっているね。

しかし、キアゲハは平地から山地まで、本当に”どこにでもいる”チョウだねぇ。
環境への適応能力が高く、食草であるセリ科植物の分布が広いこともあるのだろうが、環境への適応能力の高さには驚かされる。

遠くて近いフランス

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ノアザミも昆虫に好まれる花だが、当地のアサギマダラはもっぱらヒヨドリバナを訪れていたね。

海を渡るチョウ

コヒョウモン(小豹紋蝶:Brenthis ino )はノアザミの方が好きなのだろうか。

P8070033_2

クジャクチョウ(孔雀蝶:Inachis io )はユーラシア大陸に広く分布するが、東北地方や北海道を除いて、山地でしか見ることはできない。
当然、暖地の横須賀には生息していないので姿を見ることができて嬉しかったね。
日本亜種の学名がまた面白い。”I.i.geisha”の由来は、なんと”芸者”だという。派手な斑紋をしているからねぇ。

P8070048_2

大型のハムシ類であるヨツボシナガツツハムシ(四星長筒葉虫:Clytra arida )を見つけた。
鮮やかな赤地に黒の斑点がかなり目立つね。

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散策路を歩いていると”みちおしえ”がいて、しばらく撮影に付き合ってくれた。

みちおしえ

敏感な個体で、これ以上近寄らせてくれない。後翅の模様からニワハンミョウだと思うけど、体色が黒いなぁ。

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P8070004

スキー場なんて環境破壊の典型だと思っていた。

しかし、日本ではすっかり減少してしまった草原がスキー場には残されている。
スキー場のゲレンデによって、生息する昆虫の多様性が促進され、絶滅が危惧されている草原性昆虫の貴重な生息環境が保全されているのかもしれないね。

(撮影日は2011年8月7日)

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コメント

 そうなんですよね。日本では、スキー場が今までの入会地などに変わって、適度な人為的攪乱地になっていたりします。ゴルフ場はもってのほかだけど・・・・・・

Frank-ken さん

都市部でも共有地を取り入れた街づくりがあってもいいなぁと思っています。
ちょっとした雑木林や果樹園、菜園でもいいですね。

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