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2011年7月の記事

2011年7月31日 (日)

Collecting now !!(クロスズメバチ)

クロスズメバチ(黒雀蜂:Vespula flaviceps )は、体長が1cm程度のハチだ。
体色は黒で、腹部に白い縞模様が入っているのが特徴だ。

スズメバチ類で一般に知られているのは、黄と黒の体色で体が大きいスズメバチ属(Vespa )のコガタスズメバチ(小形雀蜂:V.analis )かキイロスズメバチ(黄色雀蜂:V.simillima )だろう。
クロスズメバチ属(Vespula )は、これらの種とは全然似ていない。
体が小さいので、ハエくらいにしか思われていないかもしれないねぇ。

クロスズメバチは、広く日本に分布し、森林、畑地等の土の中に巣を作る。スズメバチ属に比べれば、攻撃性は低いが、巣を刺激すれば刺されることに変わりはない。

小さな昆虫やクモを狩るほか、動物の死がいなどから肉を集めて、幼虫に与える。スズメバチ類の幼虫は肉食なのだ。

Photo_2

これは、カマキリの死がいから筋肉を切り取っているところだ。
いくらなんでも、体が大きなカマキリの成虫を狩ることはできない。

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こちらはアブラゼミの死がいから胸の筋肉を切り取り、顎と前脚を使って上手に団子状に丸めているところだ。
実に手際が良い。

クロスズメバチは、地方によって”ヘボ”、”スガレ”、”ジバチ”などと呼ばれている。

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山梨県の旧長坂町(現北杜市)には、こんな看板がある。
面白いなぁと思って、旧長坂町の条例を調べてみたが、クロスズメバチ(ヘボ)の捕獲を禁止する条文はなく、自然保護の理念規定だったけどね。

なぜ、クロスズメバチを採る人がいるのか?
それは、巣にいる幼虫を利用するためだ。

長野県、岐阜県、山梨県、静岡県の山間部では、昔からクロスズメバチの巣を見つけて、巣にいる幼虫を食用にしてきた。

調理方法はいくつかあるようだが、幼虫の佃煮、大和煮がよく知られている。
今は、缶詰などがネット販売もされているので入手するのも容易だね。
50グラム入りの缶詰が約1000円なので、かなりの高級品だ。

Pict5072_2

これが、”蜂の子”の佃煮だ。
よく見ると、幼虫のほかにも蛹や成虫が混じっている。
佃煮だから醤油とミリンの風味が強くて、”蜂”の味は正直分からない。

でも、地域の食文化や昆虫と共生する文化は、いつまでも受け継がれていってほしいねぇ。

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2011年7月29日 (金)

向日葵と

やっぱり夏の花のいえば、ヒマワリ(向日葵:Helianthus annuus )だろう。
休耕地を利用するのだろうか、最近は観光地で一面のヒマワリ畑を眼にすることが多くなったように思うねぇ。

P7189026

ヒマワリの花の配列は頭状花序、つまり多数の小さな花が集まってひとつの花を形成している。

P7189036

ヒマワリは多くの蜜を生産するのだろう。たくさんのセイヨウミツバチ(西洋蜜蜂:Apis mellifera )が蜜を集めていた。

P7188994_2

小花の根元に蜜腺があるようで、口器を奥に差し込んでいる様が可愛らしい。

ポリネーター

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2011年7月28日 (木)

しっかり者

オニグモ(鬼蜘蛛:Araneus ventricosus )は、体長が3cm位の大きなクモだ。
林や人家の近くに生息し、獲物を捕えるために径が1mを超える大きな網(いわゆるクモの巣だね)を張る。
オニグモは、昼間は軒下などの隠れ家で休んでいるが、辺りが暗くなるころに網を張り始める。完全な夜勤シフトだねぇ。

Pict1063

このオニグモの網に、ゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切:Anoplophora malasiaca )が飛び込んできた。

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オニグモは、すかさず自分より大きく重い獲物に跳びかかって、糸を巻き付ける。

Pict1181_2

ゴマダラカミキリも必死だ。なんとか網から逃れようとして、脚をばたつかせる。
ゴマダラカミキリはどうにか逃げることができたが、毎夜このようなハンティングが繰り広げられる。

オニグモの習性で面白いのは、朝になって隠れ家に撤収する時に網を畳むことだ。
規則正しい生活で後片付けをきちんとするのが、行儀良いねぇ。
不精者の私は感心してしまう。

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2011年7月27日 (水)

空蝉(うつせみ)

空蝉(うつせみ)
[1]
(ア)この世の人。生きている人間。
(イ)人間の生きているこの世。現世。世間。
[2]
(ア)蝉のぬけ殻。俳句の夏の季語。
(イ)蝉。
大辞林より

ようやく賑やかなセミの声が聞こえるようになってきた。
やはりセミがいなければ夏ではないね。

夕方、近くの公園にセミの羽化を観察しに行った。
到着したのが少し遅かったのか、既に幼虫は地面から這い出して羽化が始まっていた。
6年間の地中生活にピリオドを打ち、歌って空を舞う(当然、子孫を残す)生涯最後のステージだ。

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見つけたのは自宅近くで最も多いアブラゼミ(油蟬:Graptopsaltria nigrofuscata )の雌だ。

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背が割れて羽化が始まる。古い殻から現れた成虫は、この世のものとは思えない幽玄な青色をしている。

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腹端を殻に残したまま、大きく後ろにのけぞる。ほとんど逆さまにぶら下がった状態だ。
少し古いがイナバウワーだね。
翅が小さく折りたたまれているのがわかる。

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腹筋(?)を使って起き上り、脚で脱皮殻に掴まった。

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前脚で脱皮殻に掴まり、完全に殻から外に出た。
翅はまだ縮まっている。

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数分たつと、翅が徐々に伸び始める。

ここで、あまりに蚊が多いので、自宅に持ち帰って観察を続けた。

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セミの成虫らしくなってきたが、まだ色は白いままだ。

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数時間たつと、体が黒色、翅は茶褐色になり、お馴染みのアブラゼミの姿になった。
この時の時刻が午前1時、まだ飛ぶことはできない。あと数時間で迎える朝まで、この姿勢を保っている。

こうして、アブラゼミは生涯最後の夏を陽光の世界で過ごす。

空蝉と聞くと無常感が漂い、儚いイメージだ。

セミの成虫は一週間程度で死んでしまうといわれているが、実際には3~4週間は”我が世の夏”を謳歌しているらしい。
幼虫期間を合わせると、昆虫の中ではかなりの長命だねぇ。

余談だが、セミ類の大部分は透明の翅をもっている。
日本人にはお馴染みのアブラゼミだが、褐色の翅を持つセミは世界でも珍しい種で、海外の昆虫マニアにはかなりの人気があるそうだ。

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2011年7月26日 (火)

続 国蝶

”国蝶”オオムラサキ(Sasakia charonda )の雄は、気品ある美しい青紫色の翅をもっている。

国蝶

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雌は茶色地に白と黄の斑点といった少し地味な印象だ。
雄に比べて雌の体格はひと回り大きい。

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オオムラサキの成虫は、年に1回、6~7月に発生する。

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交尾を済ませた雌は、エノキ(榎:Celtis sinensis var. japonica)の葉に卵を産み付ける。

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孵化した幼虫は、秋にかけてエノキの葉をモリモリ食べて大きく成長する。

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幼虫には、特徴的な”角”が生えている。ユーモラスで可愛らしいルックスだねぇ。

寒くなるとエノキは葉を落とすので、幼虫は地面に降りて、根元にたまった落葉の中で冬を越す。
春になってエノキが芽吹くと、幼虫は再び樹に登って葉をモリモリと食べて更に成長して蛹になる。

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オオムラサキの一生は、完全にエノキの生長とシンクロしているのだ。

山梨県北杜市には、オオムラサキの生息環境がまとまって残されている。
特に、旧長坂町の日野春駅の近くには「オオムラサキセンター」があって、オオムラサキの生態を観察することができる。10Km程の自然観察路が整備されているのでハイキング感覚で歩いてみるのも良いだろう(夏は熱中症に要注意)。

オオムラサキが国蝶に選ばれたのは高度成長期に入る前の昭和32年だ。
この50年間で日本の自然、特に里山は大きく様変わりした。

オオムラサキセンターでは、「里山づくり~里山再生プロジェクト~」に取り組んでいる。
オオムラサキの生息環境を保全するために、雑木林の間伐やササ刈りを行ったり、伐採後放置された林にエノキやクヌギの苗を植樹したりする活動を続けているそうだ。

北杜市オオムラサキセンター

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2011年7月25日 (月)

国蝶

オオムラサキ(Sasakia charonda )は日本の国蝶だ。

もっとも、国蝶といっても国歌や国旗と違い法律などで規定されているわけではない。
昭和32(1957)年に、日本昆虫学会が日本を代表するチョウとしてオオムラサキを国蝶に選んだのが唯一の根拠になっている。

日本国の象徴としての蝶だから、分布が限定的だったり、絶滅に瀕して一般の人がほとんど見ることができない種では困る。
日本中どこでも見られるとしても、あまり地味だと今一つだろう。

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オオムラサキは、北海道から九州まで日本各地に分布する大型のタテハチョウで、濃い青色をした雄の翅が美しい。

そんな訳で、オオムラサキが選ばれたようだ。

オオムラサキは花蜜を求めて、花を訪れることはない。クヌギなどの樹液に群がるのだ。

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クヌギの樹液は、森の昆虫酒場だ。
オオムラサキの他にも、カブトムシ、クワガタムシ、カナブン、スズメバチなど、沢山の昆虫が甘い(実は甘くないけどね)樹液を舐めに訪れる。

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ライバルが存在すれば、樹液が多く浸み出る場所を巡って競争が生じる。驚くなかれ、強敵に囲まれたオオムラサキはなかなか手強いのだ。

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さすがに、雑木林の王者カブトムシに場所を譲ることはあるが、オオスズメバチが近付いても怯まない。
クワガタムシやカナブンに対しては、大きく力強い羽を打ちつけて追い払い、餌場を奪い取る。
か弱く可憐なチョウのイメージなんか吹き飛んでしまう強者だ。

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毎日が戦いの連続となるオオムラサキは、武器となる翅が直ぐにボロボロになってしまう。戦う勇者の勲章だねぇ。
羽化した直後の美しい翅は、一日ももたないだろうな。

オオムラサキは、典型的な”里山の昆虫”だ。
人に適度に管理された雑木林がなければ生息することができない。
里山が衰退するのに歩調を合わせて、オオムラサキの生息環境も減少している。
都市近郊では絶滅の危機に瀕しているのだ。

一方、オオムラサキは、朝鮮半島、中国、ベトナム北部にも分布している。国蝶といっても日本の固有種ではない。

だからといって、「国内で絶滅したら海外から移入」で済む話ではない。

国蝶を絶滅に追い込まないために、里山の自然を保全することがとても大切だ。

トキの二の舞にならぬようにしなければね。

続 国蝶

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2011年7月24日 (日)

尾白川渓谷で見た生き物

尾白川渓谷のトレッキングは、なかなかハードな行程だった。

姿を見ることはできなかったが、ヒグラシが鳴いているのが印象的だ。

尾白川渓谷のトレッキング

渓谷道は細く、険しく、周囲を観察する余裕はあまりなかったねぇ。
観察することができた生き物がわずかだったのが少し残念だ。

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”百合ケ淵”の近くで、渓谷道の真ん中に陣取ったアズマヒキガエル(東蟇蛙:Bufo japonicus formosus )に出くわした。
威風堂々、体長が15cmを超える大物で、初めは石が動いたのかと思った。

Img_6523

ヒキガエルはいわゆる”ガマガエル”だ。
体色は、赤褐色のほか、茶褐色、黄土色などの変異が大きい。
皮膚にはイボイボがあって、特徴的だ。
カエルといえば水辺を連想するが、ヒキガエルは乾燥に強い。森林や草原、公園や人家の庭にも生息している。

ヒキガエルをつかむと、耳腺から乳白色の毒物を分泌する。これが、”ガマの油”だ。
ヤマカガシはヒキガエルを好んで餌にする。ヤマカガシは頸部からも毒を分泌するが、この毒はヒキガエルの毒を貯蓄したものらしい。面白いねぇ。

山楝蛇(やまかがし)

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不勉強で名前がわからないが、白の可憐な花が渓谷道の所々に咲いている。

”不動滝”の側の崖には、たくさんのツバメが営巣していた。
望遠レンズも双眼鏡も持っていなかったので種は分からないが、あれがイワツバメなのだろうか。

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戻りの尾根道にホトトギス(杜鵑草)の一種が群生していた。よく見かける薄紫色ではなく、黄色の花が鮮やかだ。

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2011年7月22日 (金)

尾白川渓谷のトレッキング

平成の市町村大合併で北杜市になってしまったが、山梨県の北西部に白州(旧 白州町)という所がある。
ウイスキーやミネラルウォーターを製造するサントリーの工場があり、日本名水百選の里として名高い。

南アルプスの豊富な雪解け水が流れ込む尾白(おじら)川は、深い渓谷を刻んでいる。
海の日三連休の一日、尾白川渓谷をトレッキングしてきた。

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駐車場から5分ほど歩くと駒ケ岳神社に着く。
約280年前に建立された甲斐駒ケ岳信仰の社だ。

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駒ヶ岳渓谷から10分ほど上流に歩くと”千ケ淵”だ。深い淵はエメラルドグリーンの水を湛え美しい。
水は美しく、とても冷たい。

尾白川は高低差が大きく、滝、淵、谷・・・が連続している。
したがって、渓谷道も急なアップダウンの連続だ。
千ケ淵から上流は登山装備が必要と記された注意看板が何枚も立てられている。

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このような橋や階段が渓谷道の随所に設置されている。場所によってはかなりの高所だ。
一部老朽化が進んでいる所もあり、渡るのはなかなかスリリングだ。
「5人まで」などと書かれているのを見ると、高所が苦手な者は余計に足がすくんでしまう。

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尾白川には、丈が数メートルもある巨岩がゴロゴロしている。渓流は清冽で、いかにも上流の川といった趣だ。
雪解期や大雨の後は、川全体が滝の様相かもしれない。

白っぽい岩の多くは花崗岩なのだろう。
流れが急なので広い砂州は形成されないようだが、川砂も白く美しい。

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滝があれば淵ができる。”百合ケ淵”も緑の水を湛えていた。
かなりの水深があるように見えた。

ここから渓谷道はさらに険しくなり、数か所の鎖場もある。
片側は深い谷なので、足を滑らしたら一気に谷底だ。
「登山装備が必要」は決して大げさではないし、できれば単独行は避けた方が良いだろう。

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三段になっている”神蛇(じんじゃ)滝”の景観は見事だ。ここだけ見ても、急流が一気に駆け下りている様がよくわかる。
ガイドブックに紅葉期の神蛇滝の写真が掲載されていたが、とても美しい。写真撮りにはベストシーズンかもしれないね。

ここから、出発点に戻る尾根道と分岐している。
登ってきた道を下るのは滑落の危険が高いそうだ。すれ違う人が少ないなぁと思っていたが納得だ。
さらに、渓谷道の最奥部にある”不動滝”を目指した。

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更にきつい上りが続く。
道幅は狭く、足場に注意する必要があるので気が抜けない。よそ見をしている余裕はなかったね。

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ようやく不動滝に到着した。
この滝は淵(いわゆる滝壺)のすぐ側まで近づくことができる。
水しぶきでずぶ濡れになるのを覚悟すれば、かなりの迫力を堪能することができる。防滴構造のカメラではないので、撮影はしなかったけどね。

滝側の崖には、たくさんのツバメが営巣している。
望遠レンズも双眼鏡も持っていなかったので種は分からないが、あれがイワツバメなのだろうか。

撮影をしながらのトレッキングなので、総行程に5時間近くかかってしまった。
渓流沿いは涼しく、下界の猛暑を忘れることができたけど、予想以上に険しい道だったね。

靴を脱いで疲れた素足を渓流の冷水に浸した。心地良いが数分も経つと感覚が鈍くなるほど水温は低い。
駒ケ岳神社から千ケ淵までは多くの家族連れで賑わっていた。子ども達が水の中ではしゃいでいるが、冷たくないのかねぇ。

いや、冷たくたって平気なのが子どもだったね。かつての自分もそうだった。
小学生の頃の夏休みの高揚感は忘れられないねぇ。
子ども達には黄金の時を満喫してほしい。

尾白川渓谷で見た生き物

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2011年7月21日 (木)

山楝蛇(やまかがし)

ヘビ、爬虫類が苦手な人はスキップ!

ヤマカガシ(山楝蛇:Rhabdophis tigrinus )は、アオダイショウやシマヘビと並んで、人の近くに生息するヘビだ。

ヤマカガシは主にカエルを捕食するので、カエルが豊富に生息している小川や水田、湿地の近くでよく見かける。いわゆる里山の一員だね。
カエルが少ない住宅地で見かけることはほとんどない。

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アマガエルらしきカエルを呑んでいるところを見た。
ヘビは獲物を小さく食いちぎったり、咀嚼したりはしない(できない)。
顎の関節を大きくガバッと広げて丸呑みする。

ヤマカガシの体色は特徴的だ。
褐色の地に、赤、黒、黄の斑紋が交互に並んでいる。
アオダイショウ、シマヘビ、マムシなどの地味な体色に比べて、かなり派手で目立つね。

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ヤマカガシは毒をもついわゆる「毒蛇」だ。

噛まれた時に注入される毒の量は、ヘビの種によって異なる。
だから、単純にリスクを比較することはできないが、同量の毒の強さ(LD50:半数致死量)は、

ハブ < マムシ < ヤマカガシ

の順で、ヤマカガシの毒は、ハブの10倍、マムシの3倍の強さがある。
決して、油断してはいけないね。

ヤマカガシの毒牙は奥歯にあるので、深く噛まれないと毒の注入が行われない。
また、本来はおとなしい性格なので、素手で捕まえようとしない限り咬まれることはないだろう。

まあ、ヤマカガシに限らず、一般的にヘビは警戒心が強く臆病だ。
写真を撮ろうとしても、すぐに逃げられてしまうからねぇ。

2枚目の写真は、県立21世紀の森で見つけた幼体だ。

道路の側溝に落ちて、這いあがれないので焦っていた。
左右にしか逃げられず、隠れる場所もないのでかなり怖がらせてしまった。ごめんね。

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2011年7月20日 (水)

落とし文

神奈川県立21世紀の森に行った目的は、オトシブミを探すことだった。
オトシブミ類は、体長が1cmに満たない小さな甲虫だ。

江戸時代、人に知れないように手紙を道端に落とし、事前に申し合わせた人に渡したという。
これが「落とし文」だ。
e-mailや郵便なんかないし、秘密の手紙を手渡しすれば、他人に目撃されるおそれがある。
なるほどねぇ。でも、通りすがりの子どもなどに拾われたらどうするんだろう?
秘密がばれたらまずいんじゃないの。

オトシブミ類には、面白い習性がある。

初夏、交尾を終えた雌は若葉を上手に巻いて筒状にする。まさに葉巻きだ。
これを揺籃といい、中に卵をひとつ産み付ける。
産卵後、巻きあがった揺籃は地面に落とされる。

揺籃を巻物の手紙に例えたのが、和名の由来になっている。

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「落とし文」の中で孵化した幼虫は、これを食べて成長する。
揺籃は、幼虫の揺り籠と食糧を兼ねているのだ。

コブシ、イタドリ、ハンノキなど、種によって特定の植物の葉を巻く。また、すべての種が揺籃を落とすわけではない。

訪れるのが少し遅かったのだろう。
落ちている揺籃をひとつ見つけただけで、揺籃づくりを観察することはできなかった。
揺籃を開けば、中にいる卵か幼虫を見ることができるが、そのまま地面に戻した。

仕方がない。また、来年の楽しみにしよう。

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2011年7月19日 (火)

シラホシカミキリ

神奈川県立21世紀の森は、人工林と自然林が入り混じった植生になっている。

散策路を歩いていたら、シラホシカミキリ(Glenea relicta relicta )を見つけた。

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体長が1cm位の小さなカミキリムシで、茶色の鞘翅に白い斑点が特徴だ。

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2011年7月18日 (月)

続 脚は何本?

ベニシジミ(紅小灰蝶:Lycaena phlaeas )の食草は、スイバやギシギシなどのいわゆる「雑草」だ。

蓼(の近縁を)食う虫

雑草が茂っているところに行けば、ベニシジミがたくさん飛んでいるのを見ることができる。

P7098457

P7098462

ほとんど同じアングルで撮っているが、自宅のパソコンで見比べていて気が付いた。

1枚目は脚が6本、十数秒後に撮った2枚目は4本に見える。
なんのことはない、2枚目では前脚を胸にピッタリつけているのだ。

タテハチョウ科のチョウの前脚は退化して短くなっている。
歩くときや葉にとまるときは4本脚で、前脚を必要としない。
前脚は、味覚や触覚の感覚器官としての機能を持っているから不要というわけではないらしい。

脚は何本?

シジミチョウ科の前脚は退化していないようが、タテハチョウ科と同じように、前脚が短くなっていくかもしれない。

6本の脚を全部使った方が、歩く時もとまる時も安定していると思うのだが、それこそ余計なお世話というものだろう。

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2011年7月17日 (日)

大きなテントウムシ

神奈川県立21世紀の森で見つけたカメノコテントウ(亀子瓢虫:Aiolocaria hexaspilota )は、体長が12mmほどもある大型のテントウムシだ。

お馴染みのナナホシテントウの体長が7mm位だから、優に二回り以上は大きい。

体の大きさと赤橙地に黒の派手な模様で、葉の上にいるとかなり目立つ。存在感たっぷりだね。

P7098606

背中の模様がカメの甲羅模様に似ていることが、和名の由来らしい。

神奈川県内のテントウムシ類で最大となるカメノコテントウは、それほど珍しい種ではないが、県東部の生息は局地的のようだ。
横須賀の自宅近くで見たことはない。
幼虫も成虫もクルミハムシを食べるので、クルミの近くにいるらしい。近所にクルミの木なんかないからなぁ。

触ると防御物質である赤い液を出す。
これを舐めるととても苦いらしい。味を試した人には頭が下がるねぇ。

テントウムシのファミリーには、鳥などの天敵に「不味い」ことを学習させて身を守る戦略をとっている種が多い。
だから、赤、黄、黒の派手で目立つルックスで自分をアピールしているのだろう。

テントウムシは、人の眼には可愛らしく見えるようだ。
これも生き残り戦略上、有利に働いているんじゃないかと思っている。

愛されキャラ

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2011年7月16日 (土)

赤備え

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神奈川県立21世紀の森を歩いていたら、ムネアカオオアリ(胸赤大蟻:Camponotus obscuripes )が昆虫の死がいに群がっていた。
日本各地に分布する大型のアリだが、巣は朽木の中などに造るから、住宅地で見ることは少ない。

和名のとおり、胸部が赤く、アリ類にしてはかなりの派手系だ。

戦国時代、甲斐武田の最精鋭部隊は甲冑や武具を朱色に統一し、「赤備え」と呼ばれた。
勇猛果敢な戦いぶりは敵対する武将達に畏れられたそうだ。
赤備えは最強部隊のシンボルとなり、井伊や真田でも採用された。

元々アリ類のフォルムは甲冑的だが、赤の鎧をまとったムネアカオオアリはアリ界の赤備えと言ったところか。
最強軍団の戦士たち。強そうだねぇ。

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同じ働きアリでも、ずいぶんと大きさが違う。
大柄な個体は顎も立派で、噛まれたら痛そうだ。

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2011年7月15日 (金)

派手な変わり者

カノコガ(鹿子蛾:Amata fortunei )は、およそ蛾とは思えない姿をしている。

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鱗粉の一部が剥落して透けている部分が、翅のまだら模様になっているし、胴体には黄と青の派手な帯が入っている。
なんでこんなに目立つのか。
こんなルックスの蛾はあまりいないと思うね。

成虫は6~9月に発生する。
活動は昼間で、薄暗い所をノロノロ、フラフラと飛ぶ。
体が重いのか、翅の筋力が弱いのか知らないが、あっちに当たってポトリ、こっちにぶつかってボトリと、飛ぶのがこんなに下手な昆虫も珍しい。
よく天敵に食べられないで生き延びてるなぁ。

幼虫の食草は、シロツメクサ、スギナ、ギシギシ、タンポポ など、原っぱがあれば、いくらでも生えている雑草なので、住宅地でもよく見かける。

他の昆虫に擬態しているようにも思えないけどねぇ。

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2011年7月14日 (木)

虎の尾

オカトラノオ(丘虎の尾:Lysimachia clethroides )の花が咲いている。

小さな花がたくさん集まってひとつの房になっているが、花の数はどのくらいあるのだろうか。

離れて見ると、本当に動物のしっぽに見えるから面白い。

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右が茎側、左が先端だ。先端に向かって徐々に開花していく様子がわかる。

開花期は目立つし、背丈も1メートル位あるので、踏むことはないだろう。
この虎の尾は、踏んでも襲われることはないけどね。

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2011年7月13日 (水)

不思議な模様

コガネグモ(黄金蜘蛛:Argiope amoena )は、円形できれいな形の巣をつくる。
でも、この巣には不思議な模様が付けられている。
クモが陣取る中心から四方に向かって、白いジグザグ模様が伸びているのだ。
×印のようだねぇ。いったい、これは何なんだ。

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このジグザグ模様は、「白帯」、「スタビリメンタム(stabilimentum)」などと呼ばれている。
日本ではクモを隠す効果があるとして「隠れ帯」の語が使用されてきたが、隠れ効果が実証されていないので専門用語としては適切ではないようだ。

クモを隠す効果などあるのだろうか。
ジグザグ模様がかえって目立つではないか。
こんな模様がない方が、ひっそりと環境に埋もれるではないか。

そもそも、この模様を誰に見せたいのだろうか?
獲物になる昆虫か?鳥などの動物か?

訳が分からない。
近所に多いジョロウグモなんかは、こんな模様は付けないぞ。

コガネグモ以外にも、コガネグモ科、アシナガグモ科、ウズグモ科には、白帯を付けるクモがいる。
ウズグモの巣なんか、渦巻型の白帯が付いている。
蚊取り線香ではあるまいし。

こんな習性をもつクモ達が生き残っているということは、やはりこの模様には何らかの効果があり、それによってクモが利益を得ているのだろう。

P8025969_3

種名がわからないが、このクモは白のジグザグで円形の模様を付けている。
かなり目立つぞ。

少し調べてみたが、白帯の効果は諸説が入り乱れている状況で、解明はこれからといった様子。

自分で調べる時間と根気はとてもない。
だれかが調べて効果を明らかにしてくれるのを気長に待とう。

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2011年7月12日 (火)

三浦半島の活断層

夕食後にNHKのニュースを見ていたら、政府の地震調査委員会が三浦半島の活断層で地震の可能性がこれまでより高くなっているおそれがあると発表したことを報じていた。

三浦半島活断層 危険性高まる(7月11日 NHKニュース)

三浦半島には、いくつもの活断層が走っている。
乱開発が進んでいるが、三浦半島はとても変化に富んだ魅力的な地形をしている。
これも過去何万年もの間、断層が活動してきた証しだ。
我が家は、北武断層のすぐ近くに位置している。

横須賀三浦地域の活断層(神奈川県ホームページ)

まあ、この日本で地震の心配が要らない地域はないので、あたふたしても仕方がないが、やはり不安はあるねぇ。

水、食糧を備蓄しよう。
まずは自助、共助で乗り切るしかない。
公助をあまりあてにすることはできないだろうね。

活断層

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2011年7月11日 (月)

シーボルトの名を持つトンボ

日本最大のトンボであるオニヤンマの学名には、シーボルトの名が献名されている。

江戸末期のシーボルト事件で有名な医師で博物学者のシーボルトだ。
シーボルトは多数の植物や動物の標本をオランダに持ち帰った。
極東の未知なる国、日本の生物を西洋に紹介した功績は大きく、ヨーロッパの博物学者に日本への興味をもたせたことだろう。

そんな訳で、種小名に"sieboldii "が命名されている生物は数多い。

植物では、
サクラソウ(Primula sieboldii )、
ウスバサイシン(Asiasarum sieboldii )、
スダジイ(Castanopsis sieboldii )など、
動物では、
ヒメダイ(Pristipomoides sieboldii )、
アオバト(Treron sieboldii )などだ。

オニヤンマ(鬼蜻蜓:Anotogaster sieboldii )の複眼がとても美しいことは記した。

とんぼのめがねは”ぴかぴか”

オニヤンマは北海道から八重山諸島まで、広く日本に分布する。

成虫を見ることができるのは、水のきれいな小川や林縁の少し日陰があって涼しい場所だ。
都会の真ん中の住宅地で見かけることは少ないが、近くに小川などが流れていれば、飛んでくることがある。

オニヤンマの雄は決まったコースを行ったり来たり、パトロールする。
だから、同じ場所で待っていれば、同じ個体が再び飛んでくる可能性が高い。
こうしたパトロール中に、雌を見つければ交尾をする。

雌は小川に産卵する。
孵化した幼虫は、ミジンコ、小魚、オタマジャクシなどを餌にして脱皮を繰り返しながら成長する。
成虫になるまで5年を要するそうだ。

Dsc00502

7月の暑い日、水田側の排水路のマスに勢いよく水が流れ込んでいた。
ふと覗いてみると、オニヤンマが羽化しているところだった。
5年間を水中で過ごし、生涯で最後となる夏は空中を駆けまわるのだ。

P7191192_3

ようやく翅が伸びきったところで、しばらくして飛び去って行った。

私が子どもの頃は、シーボルトの名をもつトンボは子どもたちの憧れの的だった。
日本の子どもたちは、いつでもオニヤンマに出逢えるような環境で大きくなってほしいと願う。

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2011年7月10日 (日)

冷蔵庫の中から

突然、冷蔵庫が故障した。
息子が生まれた年に購入したから使用期間は16年、耐用年数を超えたのかもしれない。
まあ、突然壊れるのが電化製品の常だから驚くことはないが、想定外の出費だ。

壊れた冷蔵庫の中を掃除したら、色々なものが出てきた。

・数年前に降った雪
横須賀に大雪が降るのは数年に1回程度だ。
末娘が小学生の時に降った大雪を、「次の大雪まで冷凍庫で保存しておこう」と思って、ビニール袋に入れておいた。
否応なく、廃棄処分の対象になった。

・オニヤンマの凍結標本
エメラルドグリーンの複眼を保存したいと思い、三角紙で包み、プラスチックケースに入れて、冷凍庫で保存していた。
何日も経たないうちに、複眼は黒ずみ、目論見は外れてしまったが、捨てることができない。

とんぼのめがねは”ぴかぴか”

冷凍庫の奥の方から、プラスチックケースに入れたオオスズメバチの死がいが出てきた。
最近は昆虫を採集して標本を作ることはほとんどしない。旅行先で記念に数匹を採集するくらいだ。
採集した昆虫をすぐに標本にしないときは、冷凍庫で保存しておく。
このスズメバチは何年か前に山梨にでも行った時に採集したものだろうか?後で標本にしようと思って忘れてしまったようだ。
採集の年月日と場所が不明では、標本ではなく、ただの「死がい」に過ぎない。まいったね。

今までも、冷凍庫に昆虫標本を入れると妻から苦情を言われた(当り前かもね)。

新しい冷蔵庫に昆虫標本を入れさせてもらえるだろうか。不安だねぇ。

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2011年7月 8日 (金)

トンボがトンボを

トンボは肉食のハンターだ。空中で他の昆虫や節足動物を捕獲する。

トンボが小型のクモを襲うところを息子と観察したことがある。
クモは巣の中心に陣取っていたが、トンボはホバリングしながら素早くクモに近づき、アッと言う間に六本の脚で捕えて飛び去った。
初めて見る光景に驚き、クモの糸に絡まないように正確に間合いを測る手際の良さに舌を巻いた。

トンボは、前翅と後翅を交互にはばたかせて飛行する。
急加減速、急旋回、ホバリングなどその飛行能力はとても高い。

ただし、翅を折り畳むことができない。
とまる時は4枚の翅を左右に平らに広げるか、背中あわせに上に立てるかのどちらかだ。
翅をコンパクトに収納することができないと、歩行するのも困難だし、巣をつくることなど夢のまた夢だ。
飛行に特化した形態がトンボの習性を運命づけている。

P7155185

シオカラトンボ(塩辛蜻蛉: Orthetrum albistylum speciosum )の雌が、ノシメトンボ(熨斗目蜻蛉:Sympetrum infuscatum )を空中で捕獲して、頭からムシャムシャと食べている。
トンボはトンボをも獲物にするのだ。

両種の大きさはほとんど変わらない。
別の場面では、捕食者が入れ替わることもあるだろう。

トンボの日常は、常に戦国時代の一騎打ちなのかもしれないね。

とんぼのめがねは"水色"

秋津から勝ち虫

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2011年7月 7日 (木)

秋津から勝ち虫

由来は知らないが「秋津」はトンボの古称だ。
日本の本州 の古名は「秋津島」。『日本書紀』に「大日本豊秋津洲(おおやまととよあきつしま)」、『古事記』には「大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)」と記されているそうだ。
「ゆたかなとんぼのしま」なんて、昔から日本人がこの昆虫に親しんできたことは間違いないだろう。

なぜ「とんぼ」なのか、定説はないようだが、「飛ぶ棒」または「飛ぶ穂」から由来しているらしい。

トンボの特徴である高い飛行能力と細長い胴体に、昔の日本人も注目していたのだろう。

トンボの食性は肉食だ。
他の昆虫や節足動物を空中で捕える。

六本の脚には獲物を逃がさないようにゴワゴワした細い剛毛がたくさん生えている。
また、獲物を噛み砕くために、大顎が鋭く発達している。
トンボを素手で捕まえたときに咬まれたことがあるが、かなり痛く、少し出血した。

トンボは、根っからの肉食系ハンターなのだ。

稲作を何より大切にしてきた日本人にとって、トンボは稲の害虫を捕食する大切な存在だったのだろう。

武士の時代になってからは、「勝ち虫」としてトンボは縁起物でもあった。
トンボが持つ高い運動能力と戦闘力、そして決して後ろに引かない習性に、もののふ達があやかったのだろう。

トンボを意匠に取り入れた装束や武具は、広く愛用されたようだ。

テレビで戦国物のドラマを見ていると、トンボを象った甲冑の前立てが登場することがある。
NHKの大河ドラマでは、前田利家(「利家とまつ」2002)や板垣信方(「風林火山」」2007)が、トンボの前立てを付けた甲冑をまとっていた。

余談だが、伊達成実(「独眼竜政宗」1987)の前立ては、なんとムカデだった。
初めてテレビ画面で見たときは毛虫に見えたので、驚いて調べたことを覚えている。

思いがけず、博物館などで昆虫にまつわる収蔵品に出逢うことがある。虫好きとしては、これがなんとも楽しい。

日本人と昆虫の関わりは長くて深い。

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2011年7月 6日 (水)

”ニイニイ”って

日曜日に、庭でニイニイゼミ(Platypleura kaempferi )が鳴いているのに気がついた。
今年初めて聞く声だ。

ニイニイゼミは、小型で可愛らしいセミだ。
日本に生息するセミには珍しく、翅にまだら模様がある。
成虫は、アブラゼミなどに先んじて6月下旬頃から姿を現す。でも、鳴き声が小さいのでセミと気付かれないかもしれない。

Dsc_7505

月曜の出勤時に、玄関のドアを開けるとニイニイゼミの雌が地面に落ちていた。
壁にでも衝突したのだろうか。
拾い上げてみたら、さほど弱ってはいない。
携帯で写真を一枚撮って放したら、元気に飛んで行った。

ニイニイゼミが多いのは森林だ。
湿潤な土壌でなければ、幼虫が生育することができないらしい。

湿潤な土から這い出すから、ニイニイゼミの抜け殻は全身に泥をかぶっている。
泥んこ遊びをした子どもみたいだ。

P7121046

アブラゼミの抜け殻は、こんな泥だらけにはならない。

鳴き声は「チー・・・ジー・・・」の繰り返し、声量はアブラゼミやミンミンゼミに比べれば可愛いものだ。
クマゼミが近くで鳴いていれば、かき消されてしまうだろうねぇ。

P7061133

セミの和名は、その鳴き声から付けられたものが多い。

ミンミン、チッチ、ツクツク・・・などだ。
ちょっと安直だけど、まぁ分かりやすいし、覚えやすいかな。

ところが、なんとニイニイゼミの名も鳴き声が由来らしい。
おいおい、「ニイニイ」なんて鳴いていないぞ。

命名者に尋ねてみたいねぇ。

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2011年7月 5日 (火)

とんぼのめがねは"ぴかぴか"

とんぼのめがねは

ぴかぴかめがね

おてんと様を見てたから

見てたから

とんぼのめがね
作詞 額賀誠志 作曲 平井康三郎

童謡「とんぼのめがね」の歌詞二番のモデルはなんだろう。

さて困った。「ぴかぴか」は色ではなく、輝きだろう。

オニヤンマ(鬼蜻蜓:Anotogaster sieboldii ) は、日本で最大のトンボだ。
雄の複眼は、エメラルドのような色に輝き、思わず見とれてしまうほど美しい。

Pict5347

この美しい複眼におてんと様が写ることがなくなったら、その輝きはすぐに失われてしまう。
複眼の輝きは生きている証なのだ。

オニヤンマを標本にすると、三日も経たずに複眼が黒ずんでしまう。
それならばと、自宅の冷凍庫で冷凍保存してみても結果は同じだ。

エメラルド色をしたぴかぴかの輝きを保存することは誰にもできない。
それで良いのだろう。

生きているオニヤンマを見に行こう。

とんぼのめがねは”水色”

とんぼのめがねは”赤色”

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2011年7月 4日 (月)

とんぼのめがねは"赤色"

とんぼのめがねは

赤色めがね

夕焼け雲を飛んだから

飛んだから

とんぼのめがね
作詞 額賀誠志 作曲 平井康三郎

童謡「とんぼのめがね」の歌詞三番のモデルはなんだろう。

複眼が赤いトンボの種類は多い。
ショウジョウトンボ(猩々蜻蛉:Crocothemis servilia mariannae )なんか、複眼どころか翅を除く全身が真赤だ。

P8051522

P8221816

アキアカネ(秋茜:Sympetrum frequens )は、最も普通に見られる「赤とんぼ」だが、複眼の下側が赤くない。
複眼の上下で色が違う理由はなんだろう。
夕焼け雲が映る上側だけが赤いのか。

P8221846

Photo

ミヤマアカネ(深山茜:学名 Sympetrum pedemontanum )も、アキアカネと同じように複眼の上側だけが赤くなっている。

P7191223

P7191226

夏から秋にかけて、赤とんぼの群れが夕焼け雲を背にして飛ぶ里山の光景は、日本人の原風景だろう。

去りゆく夏に一抹の寂しさを感じる美しい瞬間だ。

とんぼのめがねは”水色”

とんぼのめがねは”ぴかぴか”

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2011年7月 3日 (日)

とんぼのめがねは"水色"

とんぼのめがねは

水色めがね

青いお空を飛んだから

飛んだから

とんぼのめがね
作詞 額賀誠志 作曲 平井康三郎

P7061155

童謡「とんぼのめがね」の歌詞一番のモデルは、やはりシオカラトンボ(塩辛蜻蛉:Orthetrum albistylum speciosum )だろう。

トンボの複眼は一万個以上の個眼が集合して成立している。
一万個以上の像をいったいどのように統合しているのだろう。
青、緑、黄、赤、黒・・・、トンボの複眼は、種によって色が様々だ。
青い目のトンボの世界は青いのだろうか。まさかね。

トンボには、この世界がどのように見えているのだろうか。
自分がトンボになってみなければ、絶対に分からないだろうなぁ。

トンボの複眼を「めがね」と表現するのはピッタリだね。
最近、再ブームになっている大型のサングラスみたいだ。

青い空を飛んだから青いめがねなら、すべてのトンボの複眼が青になってしまうが、余計な突っ込みはやめよう。

シオカラトンボの分布は日本全土で、湿地や溜池、市街地などで普通に見ることができる。
日本人に最も親しまれているトンボだろう。
横須賀では4月から半年間以上、成虫を見ることができる。

シオカラトンボの雌雄は、体色が著しく異なっている。

雄は成熟すると体全体が黒っぽくなり、胸が灰白色の粉で覆われたようになる。
この粉を塩に見立てたのが名前の由来らしい。

P7061151

これに対して、雌の胸は黄褐色で縞模様が入っている。
複眼の色も青ではなくて緑に近い。
雌には「ムギワラトンボ」という俗称があって、シオカラトンボと別種と思っている人もいるようだ。

とんぼのめがねは”ぴかぴか”

とんぼのめがねは”赤色”

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2011年7月 1日 (金)

脚は何本?

昆虫の脚は何本か?

6本に決まっているではないか。
小学理科の教科書にもそう記してある。

P6268423_2

実はそうとも言い切れないのだ。

ヒカゲチョウ(日陰蝶:Lethe sicelis )の脚は、4本しかないように見える。

タテハチョウ科のチョウは、普段は前脚を畳んで胸にピッタリとつけている。
歩くときや葉にとまるときは4本脚で、前脚を必要としない。

既にほとんど使わない前脚は退化して短くなっている。
このまま数万年ほど経てば、正真正銘4本脚の昆虫が誕生するのではないか。

この目で確認することができないのが残念だねぇ。

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